af0060019972l例えばあなたが自動車に用いられる部品を製作する会社を経営しているとしましょう。シートを下から支えるスプリングメーカーだとします。仮に1個100円で納入するとします。

個々の部品は十二分に安全性が検証されていなくてはなりません。例えば1個100円のスプリングが不良品だった時、それが災いして交通事故が起きたとします。最悪なことに、事故の当事者が死亡したらどうなるでしょうか。100円のスプリング1個を販売するために一人の命が犠牲になったとしたら、その損害賠償額は会社が消えてしまうほどのインパクトになるでしょう。スプリング型のアッセンブリーに組み込まれる、この段階で数十倍の金額になります。加工が進んで最終的な商品になると、数百万円です。もし不良が見つかった場合、そのスプリングの波及範囲がどこからどこまでに及ぶか、即座に分からないといけません。そうしないと保証対象が甚大になるからです。

このようにメーカーを支えるパーツ供給企業は、品質保証に関し大変なコストをかけて取り組んでいます。しかし難しさは他にもあります。日本のカーメーカーは1970年代から経済を牽引する役割を果たしてきました。今もってその役割を持ち続けるのは、競争力が非常に高いからです。そのためには生産効率を常に極大にするため、あらゆる無駄を省き、かんばん方式などのように在庫を限りなくゼロにする取り組みなどをしています。同時にコストダウンにも苛烈なチャレンジを試み、後発国の追随を退けています。